働く人にも優しく。海老名のスタバで出会った、聴覚障害への取り組み
「the 3rd place」として人々に定着し、スタッフの心遣いに定評あるスターバックスコーヒー。
赤子を抱えたお母さんや、障害のあるお客様への対応が素晴らしいとよくwebメディアで取り上げられていますよね。
そんなスターバックス、お客様へのバリアフリーのみでなく、働く人へのバリアフリーにも取り組んでいることは、ご存知ですか?
これは、先日ミーティング前の時間で訪れた海老名の店舗で出会った出来事です。
私の前に並んでいた一人のお姉さん。 常連さんなのでしょうか、自分の番になるとレジのお姉さんに手を振りニコッと笑いました。
そこから始まった2人のやりとりは、なんだかいつもと違いました。あまり話さず、手話やボディランゲージで注文をしている様子。聞こえてくるのは、時々店員さんが親指と人差し指で作った輪を見せながら「OK」と言う声。
常連のお客さんが、聴覚障害なのかな? そう思いながらその様子を見ていました。
そして、今度は私が注文する番へ。
レジカウンターへ進むと、お姉さんはこちらまでホッとする笑顔を見せながら「いらっしゃいませ」と声をかけてくれました。
私は、その声に少しだけ違和感を覚えました。 何も変わったことはない、しっかりと丁寧に挨拶をしてくれているのですが、すこしくぐもっているように聞こえたのです。
すると、お姉さんがスッと見慣れぬボードを差し出しました。
「私は耳が聞こえません。指差し注文にご協力ください」
見ると、優しい笑顔のお姉さんの耳にはピンクの補聴器が。聞こえないのは、お客さんではなく店員さんだったのです。
でも、注文に困ることはありませんでした。 少し表示が小さくて指差すのに「分かるかな?」という所はありましたが、注文に必要な情報は全てメニュー表の上。 お姉さんもとてもテキパキとしていて、むしろスムーズなぐらいです。
さらに、伝わっているかどうか、互いに目を見て確認するので「コミュニケーションを取っている」という実感が得られました。 顔を上げるたびにお姉さんが自然な笑顔なので、こちらも自然と笑顔に。
他の定員さんとのコミュニケーションも、慣れているのでしょう、とてもスムーズで、何1つ滞ることなく注文・受け取りができました。
移動と詰まったスケジュールで少し神経の逆立っていた私でしたが、このやり取りだけでなんだか元気になりリラックス。 協力どころか、お姉さんに私の方がパワーをもらいました。 まさに、「the 3rd place」の効果です。
利用する側も、カッカしないでほんの少しだけ優しくなる。 そうすれば、みんなに優しくなって、それは自分の幸せにも返ってくるのだな、と感じました。